ことばのおと 〜さがちゃんの冒険

なんか生きづらいけど、それでも大丈夫だったと知ってゆく。そんな冒険。

自分がめんどくさいのは仕様だった

 

昔、私のモノを選ぶ基準は

質実剛健で機能的なことだった。

ついでに合理的で効率的なのも好きだった。

 

 

 

小学生のある時、

『小学◯年生』という雑誌の全員応募サービスで

めちゃくちゃ機能的な腕時計の応募をしていて

なんて画期的なんだと、すぐに私はほしくなった。

 

 

それは防水ほか

方位磁針と温度計がついてて

アラーム機能に加えルーペまでついており

クオーツ式なので長持ちする。

確かそんな腕時計だったと思う。

そしてドラえもんが描かれていた。

 

 

 

特別ドラえもんが好きだったわけではないけど

これさえあれば!という万能感をくすぐられて

買ってしばらくはうれしかった。

 

でも、しばらくすると

それは居間のどこかに押しやられた。

しかも私がアラーム機能を設定したまま放置したため

夜中に「ピピピピ・・・・」と鳴る

ただのうるさい時計になった。

 

それは探しても探しても

居間のどこにあるか分からず

ただ夜中に鳴る音で時計の存在を感じていた。

 

 

 

 

 

なんでほしかったのかな。

特別ドラえもんが好きなわけでもないのに。

これさえあれば!というものが大好きだった。

 

例えば十徳ナイフ・・・は持ってなかったけど

ナイフがあったら安心となぜか思っていて

小学校の頃、筆箱にいつも忍ばせていた。

 

 

 

 

 

 

で、まあまあ、そんなんを経て

 

今は、質実剛健で機能的とは全く正反対の

めんどくさくて役に立たない(ことも多い)ものも

好きになった。

 

 

 

 

例えばこれ。

時計としての機能を果たすだけの、ただの時計。

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真っ平らじゃないドーム型の風防は傷つきやすいし

そのデザインのため防水機能はないに等しく

機械式の自動巻で、2日もつけないと針が止まる。

磁気に弱いのでパソコンやスマホの近くに置けない。

そして3〜5年にいっぺんは、オーバーホールという

車でいう車検みたいなものを頼む必要があり、お金がかかる。 

 

あっもう、書いただけでめんどくさくなってきた。笑

 

 

 

 

 

 

 

めんどくさいけど・・・でも、好きなんだ。

 

 

この腕時計は

ドーム型のガラスに合わせて

秒針の先っぽがちょっとだけ曲がっている。

 

全てはこのドーム型のデザインの風防の上で

秒針を目盛りの端までもっていくために。

 

そんなことは

時計の機能としてはなんの役にも立たないけど

この時計がこの時計であるために、必要なことだった。

そして私は、この時計を好きになった。

 

質実剛健でも、機能的でもない。

むしろめんどくさいくらいだけど

好きだから関係なかった、そんなこと。

 

めんどくさいけど

それでも好きになってくれる人がいて

製造元のドイツから遠い日本にまで来ている。

この時計は。

 

 

 

 

 

 

ほんとに「好き」って

質実剛健とか、めんどくさくないとか

常識を知っているとか

頭のネジが全部しまっているとか

そういう条件つきのことではないんだな。

最後ちょっと私情も混ざったけど。笑

 

 

役立たずで、めんどくさくて

常識も知らないし、頭のネジが1本飛んでて

おまけに何度読んでも新聞の内容が頭に入らない

そんな私だけど

 

 

それでも私のこと好きになってくれる人はいて

ついでに結婚もできた。

ありがたいことに。

親や先生の言いつけを守らなくても大丈夫だった。って、また私情が!

 

 

なにをも矯正することなく

ただ自分が自分であるということを

バカのように追っかけてたってよかった。

(知っといた方がいい常識は、誰かに教えてもらえばいいや)

 

 

 

 

 

役に立たないとか、めんどくさいも

自分を果たすためにたまたま必要で

だから、そうなってるだけだった。

 

ドーム型の風防にしたくて

目盛りの端まで秒針を持っていきたいがために

とっても手間がかかってめんどうくさくなった

あの時計のように。